あなたに憧れて
『そう言えば、内定ってどこから貰ったの?』
「TSUTAYA」
『そっか。大手だね』
「そっちは?」
『私は、新潟の医療機器の販売会社とネットワーク管理の会社から内定貰ったけどまだ、悩んでる』
「まだ貰えない人もいるんだから、それで悩むのとか贅沢だよ(笑)」
『それもそうなんだけどさぁ?実家から通うにしてもどっちも遠いの』
「都内で探さなかったの?」
『探したよ。探したけど、どこも通らないし両親、特に母親が帰ってこいって煩くて』
「ひとりっ子だもんねー」
『そっちもじゃん(笑)TSUTAYAなんて全国転勤でしょ?いいの?』
「1度は親元を離れてみたいからさ。最初は名古屋勤務だけど、そのうち都内の方にも戻ってこれるから」
『そっか。良いなら良いんだけどさ』
「それはそうと、早希って就職先、決まったの?」
『分かんない』

袴を選びながら、そんな会話をして1日を過ごしていた。

次の日、今度は早希とサークルで会って話をした。
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