花よ、気高く咲き誇れ




「幻滅したでしょ?俺は蓮井さんが思っているような人間じゃない。ふさわしくないよ。蓮井さんのような……」



「やめて」



 こんなにも好きなのにその気持ちは何も伝わっていない。


 それは私の努力不足なのかもしれない。


 だけど。



「水谷君が口出すことじゃないでしょ?私は好きになってくれ、なんて言ってない」



 本来の私のキツい口調で捲し立てる。



「勝手に私の気持ちを決めつけないで、不愉快だわ。私はあなたのことが好きなの。諦めるつもりなんてない」



 告白まがいなことを怒って言う私はやはり変わり者だろうか。


 それでも、水谷君の発言には怒りを覚える。



「また、蓮井さんに嫌な思いさせたね。ごめん。人の気持ちが本当に汲めないで周りを悲しませることばかりだ」


「私のほうこそごめんなさい。……あのね、少し私に話して見る気ない?口は堅いわ。なんか、水谷君、自分のことすごく嫌っているように見える」



 水谷君が傷ついたような顔をするから、怒りがすっとなくなり罪悪感が込み上げる。


 先崎さんが言うように水谷君は自分を嫌っている。


 繊細で人を傷つけること極端に恐れる水谷君。

 それは弱いからではない。


 だけど、何かを抱え解放できずにいる。


 私が救ってあげたい。




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