お姫様とお嬢様
携帯を交換して家の前で降ろしてもらった。



「明日ヒマ?」

「学校…。」

「だよね…。終わったら。ヒマ?」

「あ、はい…。」

「うんでしょ?」

「うん…。」

「じゃあ終わったら電話してね?」



何か彼氏みたい…。



ってか彼氏か…。



夢じゃないよね?



「乃彩チャン?」

「あっ!!電話します!!」

「また敬語~…。まぁイイや。ゆっくり慣れてね?」

「う、うん…。」

「オヤスミ。」

「オヤスミなさい…。」



さっき水木さんに抱きしめられた感覚がまだ残ってる…。



今まで感じたことのない喜びを胸に家の中に入った。



「おかえり~。遅かっ…。」

「無事か!?」



ヒナ君…。



バレたらどうなるんだろ…。



でも隠すのはイヤだな…。



「ヒナ君…。彼氏が出来た…。」

「…………オヤスミ。あ、髪カワイイぞ…。じゃあ……。」



放心?



ごめんなさい…。



< 62 / 763 >

この作品をシェア

pagetop