お姫様とお嬢様
離れないし…。



「愛芽…。」

「生意気だ。呼び捨てにすんな。」

「じゃあ天道さん、離れてください。」

「それイヤ…。愛芽でイイ…。」

「はぁ…。じゃあ愛芽、離れろ。」

「何で?」

「キスしたいから。」



全く離れる気配がない…。



仕方なく俺も愛芽の背中に腕を回した。



「何で急に付き合ってくれる事にしたわけ?」

「大河と違ってちゃんと好きって言ってくれたから。」

「アイツだって言ってたし…。」

「愛芽じゃなくて身体にでしょ…。それくらい愛芽でもわかるもん。」



何気に傷付いてたのか?



鉄の心でも持ってんのかと思ってた…。



「学校では俺に近付くなよ?」

「何で?」

「オタ樋山と付き合ってるのがバレたら愛芽の価値が下がりそうだし…。」

「別にイイじゃん。」

「俺がヤダ。それにデートする時は舜太で会いたい…。」



はたから見て二股みたいに見えたらイヤだしな…。



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