あなたの空に向かって I Love You
 私の夫は、煙草が大好きだった。

 暇さえあれば、煙草を吸っていた。

 起きてから、一本。食前に、一本。食後に、三本。出勤前に、二本。朝だけで、七本。

 一日に、二箱。多い日は、三箱。かなりのチェーンスモーカーだった。

 軽い煙草は不味い。そう言いながら、ニコチンもタールも多い煙草を吸っていた。

 当然、夫の体が心配になる。



 健康のために、禁煙してください。肺がんになってしまいますよ。

 ほとんど毎日のように、私は口うるさく言った。

 煙草を吸わないと、死んでしまう。

 それが、夫の口癖だった。



 夫は肺がんになってしまった。

 煙草をやめなかった罰。まさに、自業自得。

 それでも、後悔はしていないようだった。

 肺がんになっても、煙草を吸っていた。

 頑固な一面もある夫らしいとは思う。
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