言えよ、俺が欲しいって。


「そんなの、知りません。課題を出さない白咲が悪いんです」



「……はい」



佐野先生は、今年教師になったばかりの若い先生で顔もかっこよくて生徒に人気がある。だから、こういう時も見逃してくれるのかな〜って……思ったのに!



「先生のバカ!」



「バカは、どっちだよ」



課題なんて、あたし知らないもん。


美結は、あたしの隣で呆れたようにため息をついた。



「美結ちゃん、放課後手伝ってくれるよね?」



「えぇ……だったら、七瀬くんに頼みなよ」



あ、そうか!その手があった。

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