好きになってよ、王子様。
第3章 それでも好きです、王子様。
かなわない相手
「おはよう、花本さん。
朝早いね。日直?」
「あ、川島くん……おはよう。
日直だよ」
「俺も日直なんだ」
登校中に声をかけられて、一瞬ビクッとするも川島くんで嬉しくなる。
二度寝したいのを我慢して朝早く起きたけど、良いことがあるもんだね。
まさに早起きは三文の徳。
いつもより早いから周りに人はいない。
ふたりきりの朝だ。
「日直で朝から憂鬱だなって思ってたけど、花本さんと会えたから日直で良かったよ」
え……!
驚いて目を見開くけど、川島くんはなんの気なしに言ったのか、にこにこと前を向いている。
その横顔をじっと見つめていると、視線に気づいたのか不思議そうに私を見た。