好きになってよ、王子様。

これ以上は限界






やっぱり私は期待していたんだ。


川島くんに近づけている気がしていた。




実際はそんなことなかったのに。




勝手に期待して、勝手に傷ついて。



川島くんにとって中村さんの優先順位は不動の1位だということを思い知った。






「星奈、まだ2日だよ?
落ち込むにはまだ早いって」


「うん……今日で3日目になるね」


「わかんないって」




川島くんが昼休みに屋上へ2日連続来なかった。


そして今日もきっと来ないから3日目になる。



前まではそれが当たり前だったのに、一度あの嬉しさや楽しさを知ってしまったらもう戻れない。




それだけではなく、川島くんとも話す機会はグンと減った。




理由はわからない。


避けられてるのかな?




私が避けることは嫌がったくせに、自分は同じことするんだ……。



なんて憶測で八つ当たりをしても仕方がない。






< 168 / 285 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop