好きになってよ、王子様。
最終章 好きになってよ、王子様。
かたまった決意
あの時の腕の感触がまだ残っている。
力強く引き寄せられた腕に、耳元で囁かれる泣きそうだけど強い言葉。
誠くんの告白で頭の中はいっぱいだったのに、そうやってすぐに現れる。
そのくせ、自分は彼女と仲良く登校。
ふたりの関係が上手くいっていないなんてやっぱり嘘だったんだ。
だって亮くんからそれを聞いてもう1か月は経つ。
相変わらず一緒に登校して、学校でもふたりはずっと一緒みたい。
私は川島くんのせいでこんなに悩んでるっていうのに。
「……はぁ」
八つ当たりだよね。
こうゆう考えは良くない。
もう自分がわからなくなってきた。