好きになってよ、王子様。
たくさんの感謝
全ての授業を終えて誠くんと教室を出る。
お互いになにも話さないのは、私たちの間に妙な緊張感が走っているから。
校舎を出ても口を開くことはなく、帰り道を歩く。
「……誠くん」
「……ん?」
「ここで、いいかな?」
息が詰まる。
緊張のせいで喉がカラカラ。
そんな状態で出した声は案の定カスカスで変な声だった。
「うん」
頷いた誠くんと公園に入る。
私の家はここから5分もかからない。
この公園は、私と誠くんが初めて出会ってよく遊んだ思い出の公園。