好きになってよ、王子様。





「だからわたしのことは気にせずに、輝の想う相手のところへ行って」





そんな震えた声で俺の背中を押してくれる。


ほんと、いつも最低なのは俺で、悪いのも俺だ。






「ありがとう、穂香」




お礼を言って穂香に背を向ける。


俺はもう振り返らない。





本当に大切にしたいとものを見つけたから。




君が、教えてくれたから。







君はいつからか、俺の中で特別な存在になっていたんだ。

















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