好きになってよ、王子様。
わかってた失恋
川島輝くん、かぁ……。
王子様の顔を思い浮かべて、頬が緩むのを感じた。
授業も集中できない。
川島くんに会いたいなぁ。
ポーっと川島くんのことを考えていると、外から声が聞こえて顔を窓の外に向けた。
あ、川島くん!!
いまは体育なんだ。
サッカーボールを追いかける川島くんをすぐに見つけられる私はすごいと思う。
かっこいいなぁ。
初めて見る体操服姿に、走る姿に胸がドキドキとなる。
窓側の席、最高だ。
視力が良いことにも初めてこんなに感謝した。
川島くんがよく見える。
川島くんの周りがすごくキラキラしてて、彼をスポットライトが追いかけてるみたい。
「花本さん、聞いていますか?」
「……へ?あ、はい?」