好きになってよ、王子様。
1人で歩く通学路。
前を歩くカップルがこんなにもキラキラ光って見えるのは、その奇跡を知ってしまったからかな?
たくさんいるカップルは、私みたいに告白というとても緊張するものをしたんだ。
そして、その気持ちを受け入れてもらえたってこと。
それがどれだけすごいことか、初めて恋をして初めて失恋したいまなら分かる。
両想いって奇跡なんだ。
「あ……」
校門が近づいてくると向かいから女子がたくさん。
その中心には川島くんがいることにすぐに気づいた。
特別なにかを話している感じではなく、周りの女子が一方的に話しかけてる。
川島くんはそれに笑顔を向けるだけ。
いっぺんに話す女子は聖徳太子でもなければ話は聞けないと思う。
でも、笑顔で対応することで女子の心は満たされている。