あなたに捧げる不機嫌な口付け
「はい、座って?」
もだもだ考えているうちに、ぽんぽん、と諏訪さんの真横を指定される。
逃げ道を塞がれてしまった。
「……うん」
散々迷って渋々近づき、ちょっぴり離れて座ってみた。
再び、ぽんぽん、と指定される、場所。
「ここに、座って」
「……うん」
ちょっと言い方が怖い。顔はにこやかなのに全然にこやかじゃない。
渋々ソファーに並んで座って、コーヒーもカヌレも一口ずつ味わって。
そして、やっぱり訪れる問いかけは、明らかに怪しかった。
「ねえ、祐里恵」
カヌレから染み出したみたいに甘ったるい声が響く。
「……何」
頑として手を休めないで、精一杯抵抗して振り向かない私に焦れたように、諏訪さんはもう一度私の名前を呼んだ。
「祐里恵」
嗄れた低音。
囁きがひどく艶を帯びていて、不意打ちに一瞬動きが止まる。
その一瞬を逃がさずに、諏訪さんはあっけなく私の両手を奪った。
もだもだ考えているうちに、ぽんぽん、と諏訪さんの真横を指定される。
逃げ道を塞がれてしまった。
「……うん」
散々迷って渋々近づき、ちょっぴり離れて座ってみた。
再び、ぽんぽん、と指定される、場所。
「ここに、座って」
「……うん」
ちょっと言い方が怖い。顔はにこやかなのに全然にこやかじゃない。
渋々ソファーに並んで座って、コーヒーもカヌレも一口ずつ味わって。
そして、やっぱり訪れる問いかけは、明らかに怪しかった。
「ねえ、祐里恵」
カヌレから染み出したみたいに甘ったるい声が響く。
「……何」
頑として手を休めないで、精一杯抵抗して振り向かない私に焦れたように、諏訪さんはもう一度私の名前を呼んだ。
「祐里恵」
嗄れた低音。
囁きがひどく艶を帯びていて、不意打ちに一瞬動きが止まる。
その一瞬を逃がさずに、諏訪さんはあっけなく私の両手を奪った。