ミツバチジュエル
「タカトはヘンタイじゃないもん! ケンとヒロとトオルのほうがヘンタイだよ!」
「そーだよ! サキをかばうだけでラブラブっていうんなら、ぼくたちはずっとまえからラブラブだよ!」
……キレる方向が、どうやらタカトと私では違ったらしい。
背中に隠れていた私は、びっくりしてタカトの肩ごしに彼の表情を確かめた。
その場にいる全員が不思議な気持ちでタカトを見つめたところ、タカトは真っ赤な顔で叫んだ。
「ぼくはずっと、サキのことをまもるってきめたんだ! おとこはだいじなおんなをまもらなきゃダメなんだよ!」
タカトの言葉が、私のズタズタになったプライドを、ものすごい勢いで修復しはじめた。
『だいじなおんな』って、私のことだよね?
「ありがとう、タカト」
小さな背中に、もう一度ぎゅっとしがみついた。
嫌味な男子三人組は、タカトの口上にぽかんとしている。