恋の契約は永遠に



そして二回目のレッスンの日。


私は朝の洗顔をし、スッキリした所で部屋の掃除をした。


暫くしてお昼ごはんでも作ろうかなと思った時、私の携帯の着信音が鳴った。


誰だろう?と画面を見ると社長からで、私は直に電話に出た。


「お疲れ様です」


『もう約束わすれちゃった?プライベートでは俺は社長じゃないから』


「すみません……」


『敬語禁止だよ?』


「あっ……」


『それより今は家に居る?』


「えっ、は、うん」


『ははっ、本当に面白いな。今麻耶のマンションの下に居るんだけど用意して降りておいで。待ってるから』


「えっ!」


『じゃあ後で』


そう言って電話を切られてしまった。
社長を待たせる訳にもいかず、私は急いで用意をしてマンションを出た。


マンションを出ると社長の車が停まってあり、近づくと社長は窓を開けた。


「ちゃんと洗顔頑張ってるみたいだね。今日はやりがいがありそうだ。とにかく車に乗って」


そう言われて私は社長の車に乗った。


そして向かった先は社長のマンションではなかった。


「あの、何処へ?」


「まだレッスンには早いし少しドライブでもしようかと思って」


「ドライブ、ですか?」


「うん、最近は忙しかったし何か久しぶりに走りたい気分なんだ。麻耶と一緒だと楽しいだろうなって思ってさ。嫌だった?」


信号待ちで私の顔を見て少し不安げに言う社長の顔に、思わずドキッとしてしまった。


「い、嫌じゃないです」


「よかった、じゃあ海にでも行きますか」


社長は嬉しそうに言った。
それに私と一緒だと楽しいと思ってくれた事が嬉しかった。
こんな風に男の人とドライブなんて久しぶりだ。



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