恋の契約は永遠に



「お疲れ様です、すみません遅くなりました」


「片瀬さんお疲れ様、大丈夫だよ。それより荷物が多いからチェックしていって」


「はい」


私は用意していた発注書と伝票を確認して、商品の数量や商品に間違いがないかの確認をしていった。


「はい、これで全部ね!直送も多かったから朝から大変だったでしょ?受付もしだしたみたいだし大丈夫?」


「は、はい、皆さんに教えて頂きながら何とかやれています」


私はまともに社長の顔を見れずに商品に目を向けて返事をした。


社長に凄く失礼なのはわかってるのに上手く顔が見れないでいた。


すると社長は私の横にじゃが見込み、私の顔を覗き込んできた。


「うわぁ」


思わず社長から離れてしまった。


「顔を見ただけで拒否されるなんて、俺何かした?」


「お、驚いただけですのですみません」


私は俯きながら言う。


すると社長は私の顎に手を添えるとグイッと上に向ける。


目と目があって私の心臓がドキドキと煩くなるのがわかる。


駄目、私……


「やっと顔を見られた。目も合わせてくれないし俺を避けてるの?」


「さ、避けてなんていません。皆居るんですからこんな事辞めて下さい」


これが私の精一杯の答えだった。


「そっか、じゃあ僕は次にも配達にいかなきゃならないから」


社長はそう言って会社を後にした。


< 50 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop