【完】ファントム・ナイトⅡ -アノ日ト儚キ妃-



相変わらず、仲良しだ。

ああやっていつも冷たいけど、千瀬がわたしになにか話題を持ってくる時は大抵ミヤケ関連な気がする。……言ったらそんなことないよって怒られそうだけど。



「いや、"行ってねーの?"ならわかるけどさ。

"来てねーの?"っておかしくない?」



「……まあそれはミヤケだから」



「遠まわしにミヤケのこと馬鹿にしたでしょ」



あいつ日本語弱いからなとつぶやく千瀬。

わたしが遠まわしに言ったのも悪いとは思うけど、千瀬はストレートすぎる。本人が聞いたら確実に怒るわよ。……でもまあ、これもいつものことか。



「東西幹部の連絡用のグループを、

どうでもいい会話に使いすぎなんだよ」



はあ、とため息をついた千瀬。

彼の言う通り連絡用のグループだからそこにわたしと由真ちゃんは入ってないけど、ちょっと気になる。




「ねえ、男の子同士でどんな会話するの?

どうでもいいこと、ってことは、普通におしゃべりもするんでしょ?」



「……するけどほんとにくだらないことばっかりだよ」



「勝手に見ちゃ怒る?」



「莉胡の教育に悪いからだめ」



「……教育に悪い会話してるの」



「主にアルトがね」



主に……?

わたしの東西幹部のイメージではほかにそんな話をするような人思いつかないんだけど……そういう話をする、アルくん以外って一体誰なのか普通に気になる。



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