※雨のしずく※


「....どうしてそんな事聞くの?」

自分でも驚くぐらい冷静に、冷たく言い放ってしまったことを言った瞬間に後悔した。

「.....わかってるんだ、キミの中からあいつが消えない事くらい『じゃあっ』」

私は彼が言い終わる前に、被せるようにして続けた。

「どうして私と一緒に居ようと思ったの」

責めるような言い方になってしまった。
先ほどまで行き交っていたクルマの音が遠くなった気がした。

彼は一瞬視線を下に落とし、再度私の目を見て言った。

「それでも...



それでもキミと一緒に居たかったんだ」


微笑む彼の顔はどこか寂しげで、それでも私への愛情が垣間見え、私の目からは知らぬ間に涙が溢れていた。

ごめん、ごめんね。
たくさん傷つけてごめんね。


こんな私を好きになってくれてありがとう。



あの頃から私の時間は止まったまま。

私の中から消えない存在。

私の初めての恋。

あなたは今、笑っていますか?



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