ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
《14》新妻のバースデー

拓真side-

小陽は夕食の片づけに追われ、一人で部屋に戻るのは寂しいと思い、リビングスペースのソファに腰を下ろして、スマホを弄っていた。


俺と小陽の挙式披露宴から3週間が流れ、月は7月に入っていた。

全面硝子は遮光カーテンで閉じられているが、シトシトと雨粒が硝子をいつまでもノックしていた。

「小陽さんは厨房か?」


「ああ」


一番、関わりたくない紡の親友・椎名さんがソファに腰を下ろす。


「俺に何か用か?」


「お前には男としての甲斐性はないのか?」


「甲斐性?」


「小陽さんと共働きしてるけど・・・お前の収入だけでは小陽さんを養えないのか?」


「はぁ?俺はこれでも、化粧品業界国内シェアナンバー1の副社長だ。
小陽一人位養えるぞ!!」


「なら、仕事を辞めさせて専業主婦にしてやれよ」

「何でお前にそんなコト言われなきゃいけないんだ?」

「小陽さんは家庭と仕事を両立できるほど、カラダが丈夫じゃないと思うからだ・・・」


小陽が椎名さんの議員秘書をしていて、カラダを壊したコトは知っていた。


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