ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
《23》真の愛

小陽side-

振り出しに戻ったかのように待ち合わせ場所のスターカフェの前に戻った。

「このビルの最上階にある店です」

「へぇー」

「ネットで予約しておきましたから・・・待ち時間無く入れます」

車中でスマホを弄っていたのは予約する為だったのかと納得した。

「柾貴君、先に言っておきます。会計は拓真さんの奢りですから・・・」

「分かっていますよ。ご馳走になります。小陽さん」

二人でビルの中に入り、エレベーターホールを探す。

「あら」

「!!?」

ホールで元カノ・淡路さんと鉢合わせした。
淡路さんは若い男性と一緒だった。

「貴方は栗原さんの息子の柾貴君よね」

「そうですけど・・・」

「拓真は居ないのね。もしかして、二人で密会??」

返答に困る私をフォローするかのように言葉を紡ぐ柾貴君。


「わざわざ社屋近くで密会するワケないでしょ?淡路さん。貴方も人が悪いですね」

「季実子・・・誰だ?」

淡路さんと一緒に居た男性が話し掛ける。

「我が社の副社長夫人と社長秘書のご子息よ」

「副社長夫人ってコトは・・・伊集院敦司元頭取のご令嬢!?」

お父様を元頭取と呼ぶところを見ると『帝和銀行』の社員?


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