ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
《26》彼女の涙

拓真side-

[どのようなご用件ですか?副社長」

「受付嬢の神楽坂さんの件だ」

「彼女が何か?」

俺は朝一で周防を副社長室に呼び出す。


「何かって・・・しらばっくれるな。周防お前、嫌がる彼女につき纏っているそうだな。俺は彼女からそう訊いた。事実か?」


「神楽坂さんと副社長は仲よろしいんですね」

「父親同士が仲良かっただけだ・・・」

「『プラチナ』ではお二人共、有名人ですよ」

俺は周防を睨み付ける。


「彼女はお前が嫌いだ。いいからお前は神楽坂の邪魔をするな。周防」


「俺はまだ・・・神楽坂さんから直接嫌いとは言われてません。それに、俺は彼女以外のオンナは愛せません」


「どうして神楽坂に固執する?」

「俺と彼女は運命の赤い糸で繋がってるんですよ」
周防は真顔で俺に言い放った。

運命の赤い糸って・・・

正気か?周防

「ご用件はそれだけですか?副社長」

「ああ」

「そう言えば、秘書の小陽さんは?」

「小陽は調子が悪いから休みだ。もう下がっていいぞ。周防」

「失礼致します。副社長」

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