ダイヤモンドウエディング~キスからはじまる永遠の愛~《完》
「ほら、来いよ。キスしてやるから・・・」


俺は小陽の右腕を強く掴んで、壁に背中を押し付けると指で顎をクイッと上げて唇を塞いだ。


ずっと小陽とキスがしたかった。


俺の望んだ形になった。


程よい厚みのある柔らかい小陽の唇。


彼女の唇の隙間に舌を押し込み、口内を探りながら、舌を絡め取り、濃密で甘いキスを交わす。


キス位は経験済みだと思うけど、彼女は経験が浅いのか一方的だった。

小陽の潤んだ瞳からは涙が出ている。

「小陽・・・」

俺は心の深い場所から絞り出したような声で彼女の名前を呼んだ。


堪えていた涙が小陽の頬を伝ってゆく。


俺はハッとした。

もしかして・・・もしかして・・もしかして・・・


「お前…キスしたコトないのか?」


小陽は涙しながら黙って頷く。


キスも経験なし!!?

小陽は俺から逃れるように給湯室に逃げ込んだ。



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