お嬢様と7人の男子

桃山家の事情


陰でひっそりと二人の会話を聞いていた菜月
「……。」

菜月はその場から立ち去った

「あれ、今誰かいた気がする」

「気のせいじゃない?」

「そうかな、」




菜月は教室に戻ろうとした

「菜月、どこ行くんだ?」

「翔!?な、なんで…なんでいるの……」
菜月は怯えた様子だった
今でもこの場から立ち去りたくて仕方がなかった

「そんなに怯えなくても。そんなに兄貴が怖いか?」

「なんでいるかって聞いてるんだけど、応えてよ」


「菜月を探してたんだよ、そしたら見つかったしね」

「え、……」


「一緒に帰ろうよ。兄妹だろ?」


「急にどうして。断るわ」

兄貴はさっきまで笑っていたが
表情が変わった

「は?妹が口答えするなよ。兄貴の言うことが聞けないとは悪い妹だ」
< 253 / 259 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop