わたしのいちばんすきなひと。




「え?」


「行くって言っただろ?数日前。
覚えてないのか?」



そういえば数日前、電話で聞いた気がする。

頭の中がそれどころではなく記憶が曖昧だ。



「あ!そうだったよね。いってらっしゃい。」


「帰ったら返事…聞かせてくれる?」



返事とは…あのことだろう。


一緒に暮らすと決めたはずなのに


今ここで返事できない自分がいた。




「……わかった。」


1週間経てばきっとこの気持ち忘れてるはず。


蒼くんにちゃんと返事するんだ。


『一緒に暮らす』って…自信を持って。


1週間蒼くんに会わなかったらきっと蒼くんのことで頭がいっぱいになって、翔くんのことなんてきっと忘れる。



< 392 / 431 >

この作品をシェア

pagetop