離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
何の反応もない龍成。

軽く睨みつけると、目は焦点が合っていなく表情は止まったまま。


「……龍成?おーい」


どうしちゃったの?


あまりに微動だにしない龍成の目の前に、手の平を出し軽く振る。


──と、突然ぎゅっと抱きしめられた。


「わっ!な、なに?どうし…」

「やべ、すっげぇ嬉しい」

「……龍成……」


無反応でどうしたものかと思ったら……。

こんなに喜んでくれるなんて、意外も意外だよ。


絞り出されたそのこもった声は少しだけ震えていて、わたしまでもらい泣きしてしまった。


「今、馬鹿らしいくらい幸せを実感してる」

「…うん」

「華乃、あいしてる」
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