無理すんなよ。


「……僕、4組だ」



遥はそう言ってガックリと肩を落とした。そして乾いた笑みを浮かべる。



そんなにあからさまに残念そうな顔しないでよ。




「遥なら大丈夫。すぐに友達だってできるよ」



「でも……」



でも琴はどうするの、とでも言いたげな目。私の心配なんかしなくていいのに。



だって、私はひとりでいることに慣れてるから。……別にひとりでも大丈夫だから。




「私のことは気にしないで。大丈夫だから」



そう、笑ってみせた。遥の前で嘘の表情は見せたくないけど、何より私のせいで不安になられると困るから。




遥はいつもみんなの中心にいる。友達が多くて明るくて、太陽みたいな存在。



いつも真ん中で光ってみんなを照らすような、そんな太陽。



私とは真逆の存在。もしも姉弟じゃなければ絶対に関わらないほど、かけ離れている。

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