きゅんらぶ・あそーと

1/11*先輩よりもケーキよりも、好きなモノ +α

【幼馴染*部活中*体育館(夜)*髪クシャ】


翔の隣にいるのはずっと私だと思ってたのに。

「翔ぅ、部活終わったらケーキ食べ行こ?」
「えー、今日もっすか?」

先輩の甘えた声がムカつく。

それに翔は、ケーキより大福が好きだもん。
小さい頃、誕生日にケーキあげたら『大福の方が良かった』って拗ねたんだから。

先輩に引っ付かれてデレデレしちゃって。
ここ最近、毎日一緒に帰って。
付き合ってるって噂まで。

もう知らない!

「翔のばぁか…」
「聞き捨てなんねぇなぁ」

え?

「誰もいなくなった体育倉庫で、幼馴染の悪口とはね」
1人で片付けていたボールを拾いながら翔が言う。

「先輩と帰ったんじゃ?」
「いや、だってさ、俺ケーキより、」
「大福が好きなんでしょ?」
翔が、ふっと笑って、私の髪をクシャっと撫でる。

「ケーキより先輩より、お前が好きだから、だろ」
「そんなの、初めて聞いた…」
「じゃこれからも、もっと俺の事、知ってけよな」
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