きゅんらぶ・あそーと

2/18*君がいない世界だなんて

【幼馴染*登校中*駅前*後ろからギュッ】


キンコーン
「げ」
通学ラッシュの改札に引っかかっちまった。

「おい、凛…」
あいつ、気付かずに先に行ってやがる。
昔からちょっと危なっかしいとこはあるけど、鈍くもあるんだな。
…何か腹立つ。

「あれ、稔、どこ?」

やっと気付いたっぽい。
…少し心配させてやる。

「稔ぅ、あ、すみませっ」
「ごめんなさ、稔ー?」

あぁもう、キョロキョロしすぎて人にぶつかりまくり!
人混みの中に埋もれて見えなくなってしまう…ぞ…

……ぎゅっ

「…稔のバカ」
「…うん」

後ろから抱きしめると凛の涙声が聞こえてくる。

「…お前、危なっかしすぎ」
「…稔が私を甘やかしてきたからだもん」
「…うん」

「…小っちゃい時からずっと一緒にいるんだから、稔が隣にいない世界なんて生きてけないよ」
「…うん」

震える凛を更に強く抱きしめた。

「もう絶対こんな事しないから、凛も俺の傍からいなくならないで…」
< 113 / 184 >

この作品をシェア

pagetop