きゅんらぶ・あそーと

5/3*僕だけが見えるように

【後輩*放課後*屋上*告白】


「ひっく、ぐす…」

『お前だけだよ』って愛されてると思ってた
でも『都合がいい女はお前だけ』だったなんて…

「あんな奴、大きら…っ」

うそ。今でも好き。
涙が止まらない。

「美雪先輩?」
「裕也君…」

夜の屋上なんて誰も来ないと思ってたのに…
慌てて目をこする手を裕也君が優しく握る

「もっと先輩にふさわしい人がいますよ」
「そうかな…」
「近くにいるのに見えてないだけだと思います」
「涙で霞んで今は何も見えないや…」

裕也君が私の目元の涙を拭う

「これで見えますか?」
「そんな簡単に運命の相手が見えたら苦労しないよ」
「暗くてよく見えないのかな」

顔をグイッと引き寄せられる

「この距離なら見えますか?」
「裕也君?」
「今は僕を都合よく使ってくれていいです。でも時間をかけて僕しか見えないように溺れさせてあげますから」

『ね、美雪』

暗闇で妖艶に微笑む裕也君が見えた。
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