きゅんらぶ・あそーと

6/8*夜の秘密の個人レッスン【夕暮れシリーズ】

【憧れの先輩*夕暮れ*体育館(夜)*個人レッスン】


「手首の角度は…」

バスケ部万年補欠の私は秘密の特訓中。
誰もいない体育館に、私のシュートが外れる音が虚しく響く。

「やっぱ向いてないのかなぁ」

溜息をついたその時。

「手首の角度はこうだろ」
「え??」

シュパッ
華麗なシュート!

「先輩!」
「もしかして毎晩1人で練習してたのか?」
「はい、少しでも先輩に…あっ…」

慌てて口を塞ぐと。

「俺に、何?」
「さ、さぁ?」
「へぇ~」

しどろもどろしてる私に、先輩がボールを渡す。
そして、背後から私の肩に手を置いて。

「肘と手首の角度は…」

つつつ、と、先輩の手が肩から肘を通って私の手首を掴んだ。
そのまま、指を絡める。

「俺に、何?」
「だからえっとっ」

同じ質問を耳元で囁かれると、先輩の声がゾクゾクっと身体を駆け巡る。


「そんなに俺に認めて貰いたいなら、毎晩だって何だって、全部手取り足取り教えてあげるけど?」
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