[短編]あまいこい
「怜くんってもしかして好きなのかな?」


穂花が目を輝かせる。


「だれを?」

「この状況でだれって。花恋しかいないでしょ」


穂花が呆れたように言う。


「そんなわけないじゃん。怜くんの周りにはいつもかわいい女の子がいるし。あたしなんて今日はじめて玄関で話したんだから」

「でもさ、話したの初めてだったけど、花恋はずっと好きだったじゃん」


穂花がにっこり笑う。


「…うん」

「何か起こるかもね」


穂花がなんだか楽しそう。


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