[短編]あまいこい

「あの時にチョコもらってるよ」

「…前すぎ」

「俺、あの時からずっと好きだった」


怜くんがあたしの手を取る。


「…怜、くん」


怜くんに触れられたところが熱い。


「俺、ずっとまた笹宮さんからのチョコが欲しかったんだ」

「…嘘」

「こんなこと嘘で言わねぇよ」


怜くんがふっと笑う。


「でも、なんで急に？」

「朝」

「朝？」

「初めて話せたから。塾以外で」


怜くんが笑顔をうかべる。