暗黒王子と危ない夜
.

.



『面談は生徒のことをよく知るために行っているんだけど、あまり話したがらないのは先生を……というか、大人をあんまり信用していないのかな』

『先生には、おれがそう見えますか?』



『うん、そうだね。ひょっとしたら家庭環境とかで過去に嫌な思い出があったとか。もしかしたら今も悩んでいるようなことがあれば力になりたいと思っているから、聞かせてくれれば嬉しいんだけど』

『………』



『……ああ、立ち入ったことを聞いてごめんね。言いたくないことは誰にだってあるから無理しなくて大丈夫』

『それが先生の仕事として必要なことなら話します。何を知りたいですか』



『……ああ、いや、うん。そういえば最近成績がよくないようだけど、どうしたのかな、とか。出席日数が足りないと進級に影響があるから心配しててね』

『大丈夫です。退学になるなら、別にそれでも』



.

.
< 453 / 470 >

この作品をシェア

pagetop