【短】キスだけじゃ足りない。
「私のこと、好きじゃないくせに来ないでよ!!」
そう睨み付けながら言うと、
「ちょっ…や…!!」
手首をいきなり掴まれた。
「…ん…っ…ふぁ…」
いつもなら甘いキス。
けど…
甘クナイ。
胸が苦しい…
「…はぁ…っ…」
やっと離れた唇に、悲しさを感じた。
「…ッ…クッ…」
溢れる涙を拭う斎。
「ふざけんなよ!!好きじゃなかったらこんなキスするかよ!!」
静かな部屋に響いた斎の声に、思わず斎を見上げた。