イジワル上司に甘く捕獲されました
「このままで……今日は一緒に過ごそう」

相変わらず私の耳朶をもてあそびながらゆっくり甘い声で潤さんは私を誘う。

「……でもっ……潤さん、仕事……」

言いかけた私の言葉を少し荒っぽいキスで封じて。

「……ずっと美羽に触れていなかったのに、そんなこと言う?
俺が寂しくて、美羽に触れたくて落ち込んでいるとは思わない?」

わざと寂しそうな辛そうな表情をする潤さんはずるくて。

「……私だって一緒にいたいのに……ずるい……」

それだけ言うことが精一杯な私は顔を見られたくなくて潤さんの胸に顔をうずめる。

「……ごめん、でももう俺も美羽が足りなくて限界なんだ。
……仕事は急ぎのものは済ませてあるし大丈夫だから」

私の髪にキスを落とす彼に、私はとっくに降伏していて。

手を引かれるままに寝室に移動する。

私の服を一枚一枚ゆっくりと脱がせていく間も私へのキスをやめない潤さんの長い睫毛をおぼろ気に見つめながら。

上がっていく体温をコントロールできずに彼にしがみつく。

潤さんの何も着ていない肌は熱くて。

私の身体を撫でる大きな手に翻弄されているのに。

でも素肌を触れあうと何よりも安心できて。

胸の奥が嬉しい筈なのに痺れるように痛い。

「……美羽」

切なく私を呼ぶかすれた潤さんの声に、私はうっすら開けていた目を閉じた。


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