三人のイケメンパパと、小さな月姫




静岡

日本一高い山
名物は、お茶


東京に出て来るまで
地元からあまり出た事のない俺には
そういうイメージしかなくて


あ、それと
サッカーが盛んか
だから、井上さんの彼氏も ―――




「…やっぱり…あぇないよぅ…」


「井上さん…?」




さっきまでは
少し明るく見える表情も見せてたのに


真木が、携帯をいじって
多分 新幹線とか、交通情報
『アシ、なんにすっか』とか
具体的な移動方法を、口にしてから
少しづつ また背中が、縮こまり始めた




「だって…
すっごい…すごい…好きで…
でもカレはすっごい…人気あって…
遠くで見てられるだけで…


…つきあってるとか
むこう、思ってないかもしれないし…


だって…だって…
一回しかヤッてないんですよ?!
な…なんで?
なんでそれで…こんなコトになるの?!」




「―― 愛なんか無くても、子供は出来る」





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