三人のイケメンパパと、小さな月姫



「…大丈夫だから! な?」


助手席から手を延ばし
井上さんの頭を撫でつつ
外に、真木の姿を捜す


真木が声をかけたのは
デカいスポーツバックを背負った集団


全員学生服に、頭は五分刈り
おそらく野球部とか、そんな感じの ――


しばらく、にこやかに談笑
車の中にも、爆笑が聞こえて来て




五分刈りくん達は
全員ニコニコしながら、頭を下げ
真木自身は、手を振りながら
車に走って帰って来た




「さ…っみいいいいい!!!」


「真木!なにした?!」


「カレシ、渡田クンのコト 聞いて来た

家はさすがに聞けなかったけど
本人は寮に入ってるらしい
こっから近いし、行こうや」


「――… 寮 」




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