三人のイケメンパパと、小さな月姫



全員立ち上がって
まず名刺交換、自己紹介


「び 『ビー玉』のマネージャー
早苗なるみと申します!
よろしくお願いします!」


「お、岡田淳です
よろしくお願いします」


マネージャーさんは、声が裏返ってるし
俺も緊張してガチガチ


「それでは、"ビー玉さん"の曲
かけながら、お話しましょうか」


「お願いします」


早河さんは、真木に渡されたディスクを
デッキに入れて、リモコンを押す




すると
流れて来たのは


…お世話にも
演奏は、上手くないけど

等身大の歌詞や
素直な、よく延びる声
少しせつない、でも爽やかな曲 ――


一度、早河さんが
停止ボタンを押した




そして、それが合図のように
"真木空哉"が、話を始める


「ターゲット顧客は十代

購買、利用シーンは
ケータイでのダウンロードが主流として
サービス企画として期間限定の
無料ダウンロードも考えています

対象顧客が学生なので
まず無料というのが
今は、大前提にありますので」


「まあ…広告、宣伝、販促
あまり効果のない時代だからねえ…」


「興味が固定化してますから」


「らしいねえ」




…そんな事を、流暢に話している姿は
家でビール飲んで
酔っ払ってる、あの真木とは
かなり、掛け離れてる感じで


話している内容とか
意味は、わかったけど…




「あ、吉田監督!
FlagsLady、BOXになるそうですね
おめでとうございます!」




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