【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。




どうしよう……。

本当に風邪をひいてしまうなんて。



不安にも似た気持ちが沸き上がり、食い入るように目の前の晴くんを見つめれば……、



「あれ?心配なの?大嫌いな大魔王が風邪ひいたなんて、蜷深は絶対喜ぶと思ったのになぁ」



そっかそっか気になるんだね、って……。



「っ、い、いや……心配っていうか。やっぱり巻き込んだのは私自身だし……」



「心配なんだね。わかるよ。顔に書いてある」



そんな無表情で私を見る晴くんって、もしや策士なんじゃ……。


ていうか、もしかして、こうなることを予想して言ったの……?



「保健室に行ってみれば?心配なんでしょ?」


「うっ……、」



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