断罪アリス


すると、インターホンの音がした。



「はーい!」



来客を待たせる訳には行かないため玄関に急いだ。




「どちら様ですか?」



「宅配便でーす」




チェーンをつけたままドアの隙間から外を覗いて、間違いなく宅配業者の人だと分かった。




俺は疑いもなくドアのチェーンを外した。




その瞬間──。



「天河君!」




腕を後ろから引っ張られたかと思うと、俺の目の前を銀色の線が横切る。




「間一髪……」




俺の手を引いたのは佐滝さんだった。




彼はホッと息を吐いたかと思うと、目の前の宅配業者を睨む。




「……殺そうとしてたみたいだけど、良いの?君らのボスは彼を仲間にしたいみたいだけど?」




「切碕サンには手段は選ばないから連れてこいって言われてんだよ。だったら、殺さない程度に怪我させても良いだろ」



宅配業者の手には鋭いダガーナイフが握られていて、目はギラついていた。








< 197 / 595 >

この作品をシェア

pagetop