断罪アリス
「まるで、子供ね。取り上げられた玩具を取り返す為に気を引いたり、悪戯をして親を困らせる。うちの子達でもやらなかったわよ」
潮が口許に指を当てて呆れたように呟くと、切碕は体を横向きにすると転がるのを止めた。
「そうだよ、僕は子供だ。幼稚な考えでアリスちゃんの愛する人を殺して、彼女を苦しませた。でもね──」
横を見ている切碕は顔だけ潮に向けると、彼女の髪に触れた。
「和真を殺して、僕は人を殺す楽しさを知った。……奪われた玩具を取り戻さなくても、新しい玩具を手に入れたんだよ」
「……下衆ね、貴方」
「褒め言葉をありがとう、潮姉さん」
罵る言葉でさえも、彼にとっては褒め言葉でしかない。
切碕は潮の髪を指に巻き付けながら遊んでいると、莉瑚の方を見た。
「莉瑚。アリスちゃんは殺しちゃいけないけど、君にはもう一人殺さないといけない子がいるんじゃない?」
「もう一人?」
「そう、正体を隠して君を探り、アリスちゃんに情報を流した人物がいるでしょ?」
「……ああ、分かった。なら、殺してこようかなぁ」
莉瑚は物騒なことを口にしながら身を翻すと、鼻歌を歌いながら部屋を出ていった。