断罪アリス


「『仲間ごっこ』は楽しかったよ、アリス」




もう駄目だ、我慢できない。




「風間さん、貴方って人は……っ!」




もう黙って見ていられず、俺は風間さんに殴りかかろうとした。




でも、服の裾を後ろから引っ張られる。




「……もういいよ、コトリ君」




寂しげな小さな声でアリスさんは俺を止めた。




何で止めるんだよ?




俺はアリスさんのそんな姿を見ているのが辛いんだよ。




すると、アリスさんは口元の血を拭うと立ち上がった。




そして、凛とした眼差しを風間さんへ向ける。




「私も楽しかったよ、≪仲間ごっこ≫」




その凛とした目からは涙が溢れていた。




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