断罪アリス


何やってんだよ、俺は……。



自分でも訳が分からなくなり頭をがしがしと掻きながら歩いていると、自宅の前で見慣れた人物の姿を見つけた。




その人物は俺の姿に顔を上げ、「よう」と手を上げる。




「翔平、何で此処に……」




そこにいたのは昨日理由も明かさずに別れた翔平だった。




今はもう夕方だけど、まだ蒸し暑い。




翔平はいつから俺を待っていたのだろうか?




「お前も朽月も柳も大学に来ないから心配で見に来た。でも、お前は元気そうだな」




翔平は疲れたように笑った。




親友のその笑顔に胸が痛んだ。




俺はどれくらいこいつに心配をかけたんだ……。





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