断罪アリス


「悪趣味ね。それに、これに書かれてることって……」





「そうだよ。今まで僕が殺した女の殺し方を書いたんだ。ついでに言えば、呪術付きでね」




「呪術?貴方は前からそういうことに詳しかったけど、何を企んでるの?」




「別に~?ただ、もし僕が死んで誰かの手にこのノートが渡ってこの殺人を実行し、書かれている方法を全て終えたら僕が蘇れるっていう呪術をかけただけだよ」




潮の手からノートを抜き取った切碕はテーブルに座った。




そして、ノートをテーブルに置いて、赤い目を細める。




「僕は死んでも死なない。永遠にね」




「……安心しなさい、貴方のような下衆な殺人をする奴はそう簡単に現れないわ」




そんな彼を潮は冷たく一蹴する。




切碕は「酷いなー、潮姉さんは」と笑った。




そう簡単に切碕は死なないし、仮に死んだとしても切碕のような殺人鬼が現れるはずがない。




そう思っているのに潮は何かが引っ掛かる感じがしていた。




まるで、切碕は自分が死に、先の未来で蘇ることを読んでいるようで──。





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