断罪アリス


「アリス……さん……、切碕は……?」




俺が生きているということは切碕も生きている可能性がある。




奴を俺は殺し損ねたのかもしれない。




「切碕は死んだよ。君の肺を貫いた鉄骨は切碕の心臓を貫いた」




アリスさんは視線を横に向けた。




その視線を追うと、鉄骨で胸を貫かれて動かない切碕を羽取さんと一飛さんが見ていた。




切碕は死んだか……、ということは後は俺か……。




でも、俺も永くないだろう。




肺を貫かれたせいで息苦しいし、アリスさんが押さえている胸の辺りも血が止まらないのか濡れている気がする。





「アリスさん……、俺……」




「話さないで!血が……血が止まらない……」




俺は胸の辺りを止血しようと押さえるアリスさんの手を掴んで握った。





その手は俺の血で濡れているけど、確かに温かかった。




俺を何度も助けてくれた温もりだ。




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