断罪アリス


「……っ!?」



弾かれたように身体を起こすと、荒い呼吸が肩を揺らした。



そして、手元と足元を確認する。



手にはナイフなんて握られてなくて、足元に父さん達の死体が倒れてなんかもいない。



でも、ナイフの感覚も臭いもリアルで……。



まるで、昨日の夢と同じだ。



「何なんだ、昨日から……」



手を顔に当てて、深く息を吐く。



現実であり得ないことが夢だ。



それなのに、昨日から見ている夢は非現実的なのにも関わらず、全てが現実のように錯覚させられる。




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