Spice‼︎
手放せない夜
桐原が帰ると梨花はヒロに電話をかけた。

そしてヒロは店を閉めて梨花の部屋に戻る。

「お帰り。」

「うん。」

ヒロとの間に会話は無く
ただ黙って梨花を抱きしめる。

そして口付けて梨花の髪を撫でながら
ヒロはようやく重たい口を開いた。

「楽しかった?」

「まぁ、それなりに。」

「あの人と別れるつもりでしょ?」

梨花はまるでヒロには超能力とか人の心を読むスペックがあるのかと思ったほどびっくりしながら
ヒロの顔を見た。

「どうして?」

「梨花は愛されることを知ってしまったから…

そして愛することも知ってしまった。

だから…そうなるんだと思う。」

そして梨花にキスをして再びヒロは言った。

「俺とも別れるつもりでしょ?

あの人とは理由が全く違うけどね。

愛してない男ももう要らなくなったんだね。」

梨花は答えなかった。

ヒロは梨花を壁に押し付けて奪うように立ったまま抱く。

「わかってるよ。」

梨花はヒロの身体に溺れながら
首を振る。

「梨花のカラダ好きだった…」

「私もヒロに抱かれるのが好き。」

だけどヒロには終わりが見えてる。

「梨花が好きなのはこういう風に抱かれる事だろ?

これからはまた友達?」

梨花はまだ決心がつかなかった。

「まだヒロと離れられるかわからない。

離れたくないの。」

梨花はそう言ってヒロに口付けた。

「嘘つきだな。」

そう言ってヒロは梨花を壁に押し付けたまま
深いキスをした。








< 116 / 265 >

この作品をシェア

pagetop