Spice‼︎
その夜、梨花は風間に送られて部屋へ戻った。

風間は部屋に上がりたそうだったが
梨花は誘わなかった。

風間を部屋に泊めたらややこしい事になりそうだったからだ。

「…にしてもオモチャって何よ?」

梨花は服を脱ぎ、シャワーを浴びると
胸に風間に付けられた赤い痕がある。

「うわぁ、いつの間に?

こんなの付けるなんて
子供じゃないんだから。」

それでもその印をみると
風間に愛された記憶が蘇る。

「でも…気持ちよかったな。」

シャワーから上がると桐原から電話がかかってきた。

「梨花…放ったらかしてゴメン。

忙しくて…。今から逢えるか?」

時計を見ると12時を過ぎてる。

「今から?」

「今日は泊まりだって言ってある。

朝まで一緒に居れる。」

梨花は胸につけられた風間の印が気になったが
桐原に会いに行くことにした。

いつものバーに向かうと
既に桐原が来ていた。

「珍しいね。私より早いなんて。」

「梨花に逢いたくて走ってきた。」

そしていつものホテルに部屋をとる。

部屋に入るなりキスをする。

梨花のカラダは石鹸の匂いがした。

「シャワー浴びてきた?」

「うん、ちょうど浴びたところに電話が来たの。」

そしてセーターを脱がせると梨花は下着を着けてなかった。

「ごめん、急いで来たから着け忘れた。」

桐原の手が止まる。

「それ、どうしたの?」

梨花の胸に付いた赤い痣を指差した。

「ああ、そういう事になっちゃって。」

梨花は隠さず正直に言った。

「そうか。」

そして桐原は表情も変えず
普段と同じように梨花を抱いた。

それでも少しだけいつもより乱暴な感じがした。



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