Spice‼︎
「梨花さん、ウチに来ませんか?
ここで話す話じゃないですよね?」

風間はヒロに

「梨花さんを連れていきます。
あとで連絡しますから。」

と言った。

ヒロは頷いて

「頼みます。」

と2人を送り出した。

梨花は風間に連れられて風間のマンションに行った。

入るのは久しぶりだったが、
一歩足を踏み入れると昨日の事のように二人で過ごした時間が蘇った。

「桐原さんが梨花さんと僕を合わせたのは
自分が逢えない間…梨花さんが寂しくならないようにだと思ったけど…
違うんですか?

確かに好きな女を他の男に抱かせるって悪趣味だと思ったけど…それも寂しがり屋の梨花さんの為なのかと思ってました。

それに僕は…そんな関係でも梨花さんが欲しかった。」

「風間くんはわかってないの?

私と会った事で婚約も破棄して、お父さんとも上手くいかなくなって…社長の座も諦める事になったのに…

その代わりに桐原部長が社長になるんだよ?

おかしいと思わなかったの?」

「まさか梨花さん…桐原さんが社長になりたくて僕と近づけたとでも?

違いますよ。

桐原さんは僕が社長の隠し子だって知らなかったハズですから。」

「ううん、桐原部長はきっと知ってたんだと思う。」

しかし風間はそんな事を全く気にしていなかった。

「社長の座なんて…僕は本当に欲しくなかった。

あの家族と関わるのが嫌だったんです。

だから…もしそうだとしたら桐原さんに感謝しますよ。

僕は梨花さんだけが欲しい。

梨花さんが居れば…それだけで…」

そして風間は梨花にキスをした。







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